真実がウソで、ウソが真実っていう話(上)
2011/05/31
ひさしぶりの「鉄の掟」──
今回は、論理的な「頭の体操」をしてみたいと思います。
自分が真実だと思っていることが真実ではなくて、
うそだと思っていることが、真実だという話です。
今回(上)だけ読んでも怖くなりません。
次回(下)を最後まで読んだ人だけのお楽しみ。
(^^)/
じつはあなたは、これまで「笑ったことがない」という話です。
えっ。
会社でも(ビジネスマン)学校のクラス(学生)でも井戸端会議(主婦)でも、
わたし、明るいって評判だし...。すこしは人気者だと思ってるけど。
仏頂面でもないよっ。
毎日笑ってますけどっ。
テレビのお笑い番組を見れば、吉本を見に行けば、それこそ瞬間沸騰的に笑えますけどって。そう、みなさん思うはずです。
でもね。本当に、よく考えてみてください。
それはやっぱり「笑わされた」のであって「笑った」わけではないんです。
結論からいきましょう。
笑いというのは、常に「受動態」「受け身」が基本なんです!
なぜでしょう。
私は、自分の意思で笑った──
テレビにアホな芸人がでてきて、アホなことをして、
一緒に見ていた家族は、笑っていなかったけれども、
わたしだけが可笑しくて、腹かかえて笑った
だから、わたしは笑ったんだ。
私はぜったいに自分の意思で、笑っている。
笑わされたんじゃない。
「受け身」じゃないわよ。
だって、面白くなければ、ぜったいに笑わないもん。
では、反対の質問をひとつだけさせてください。
「自発的な笑い」「能動的な笑い」とは何でしょうか?
例をいくつか挙げてみてください。
(能動的な笑い?)
(自発的に笑う?)
(それってどういう意味?)
......。
ちょっと、黙りこくっちゃってる?
出てこない?
例がない、ということは、反証不可能です。
事実がないということと、イコールなんですね。
だから、あなたが思っている笑いは、すべて、すべて、すべて
「笑わされた」受身形の笑いなんです。
あなたは、ほとんど「笑った」ことないんです。
......。
ここでちょっとだけ助け船を。
じつは、私は2つだけ「自発的な笑い」を知っていますから、特別にお教えします。
まず一つ目が「思いだし笑い」。
ぼお〜っと考え事をしているとき、
急に昔のことを思い出して、笑うやつ、あれですよね。
何もないところから、自分が自発的に笑うから、能動的、自発的なことには間違いありません。
もう一つが「作り笑い」
あなたが、友達や同僚、仲間の前で、やっているやつです。
そう。本当は笑いたくないのに、顔を半分だけピクピクさせて笑うやつ。英語がわからないのに、とりあえず、外人の前で笑うやつでもあります。日本人の得意技です(おもいっきり卑屈やけど...)。
私の知っているかぎり、この2つだけが「自発的な笑い」です。
でも、悲しいかな、この2つが真の、ホントの、リアルの笑いなんです。
あとの笑いは、全部うそ。
虚構、フィクション、ニセの世界なんです。
「作り笑い」って、そんなのホントの笑いじゃない!
「思いだし笑い」って、そんなこといつもしてるヤツって、頭おかしいんじゃないの?
顔がひきつるような笑いと、頭がおかしいと思われるようなヤツの笑いが、真実なんて。いったいどういうこと?!
でも真実は、この2つが本当の笑いなんです。
自発的な笑いだから。(^_^;)
信じたくはないけど「笑いは受け身」であることが判明しつつあります。
「私は"お笑い"には点数が辛いわよ」
っていってるあなたも、じつは自発的にほとんど「笑った」ことがないんです。
まだ、納得感が少ないという方がいらっしゃるようなので。
もうひとつだけ、例をあげさせてもらいます。
よくある話です。
これまで一度も笑ったことがない小学生がいました。それは脳に障害を抱えていたからです。心配した両親は、イルカと一緒に泳げるという場所にわざわざ連れて行きましたが、やっぱり小学生は笑いません。2〜3時間後のことです。イルカの誘いにのって、小学生が一緒に泳ぎ出しました。感動の瞬間です。そのときこれまで一度も笑ったことがない子どもが、はじめて笑いました──。両親はそれを見て泣きました。
みなさまは、この「笑い」をどう思いますか?
いい悪いは別にして。
やっぱり「受け身」だと思いませんか?
小学生本人はあくまで自分が「笑った」と思ってますけど。
でも、真実は、イルカに、両親に「笑わされた」──
テレビのお笑い番組みて、自分は笑っている、自発的に笑っている、という人ほど、じつは「笑わされている」んです。
これって、怖くないですか?
さきほどのイルカの小学生に「ぜひ笑ってほしい」と願った親がいたように、あなたの後ろには、あなたに「笑ってほしい」と願って、あなたが知らないうちに、気づかないように、自発的に笑うようにもっていっている"背後霊のようなやつ"がいるんです。
これってちょっとだけ、私は怖いです。
(下)に続く
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高木伸浩
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