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松岡真由美著『真実 〜交通事故・脳損傷から2年半の記録〜』

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2013.7.31
ライティングにて自費出版
並製 四六判 
 p.249 1000円(税別)

あとがきより:
 母は、2010年の10月2日(土)国勢調査の封筒を持って、郵便局の前の横断歩道を青信号で渡っていたところを、右折中の前方不注意の宅配業者のトラックに左後方からぶつかられ、救急車で京都府の救急病院まで運ばれました。生真面目な母は、前日に書き上げた調査票を投函しようとしていたのだと思います。その母が頭部を打撲し、脳を破壊されていく過程を毎日記録していた理由は、お世話になった病院を、またその治療行為を肯定したかったからであって、ましてや告発しようという気持ちなど、さらさらありません。

 実際、リハビリ室のスタッフは、どなたもとても優秀で、また熱心な人が多く、感謝する毎日でした。ヘルパーさんもほとんどの人が丁寧で親切でした。看護師のなかにもりっぱな人もいました。また、M嘱託医などは素晴らしい医師だったと思います。

 主治医にしても、その「回復をする」という言葉をたよりに、毎日面会に行き、状態を見守っていく中で、しだいに命を助けてくれたことを結果的にはよかったと受け入れていく家族の心の変化を体験的に知っておられて「救命さえできれば、家族ならばいつかその病状を受け入れていく」という過程を確信犯的にわかっておられたのだと思います。

 しかし、本人を取り巻く一部の医師やその他の病院の関係者の心無き言動は、私が同業者であるが故に許すことができないというのも事実です。看護師資格を持つが故に、看護師として、あまりにも恥ずかしいと思われる行為は許せない。

 そんな私は、姉に「病院にクレームをつけるな」「主治医や看護師を怒らせるな」といつも注意されていました。それが、普通の感覚なのでしょう。

 でも、あえて私は看護師たちに言いたい。一部の医療従事者に言いたい。

 あなたたちは自分たちが患者よりも立場が上だと思っていませんか。
 あなたたちは患者の、そして患者の家族の声に耳を傾けていますか。
 自分たちの行為に対してなぜ、家族が、患者がその言葉を発したか、その「意味」を考えていますか。そして、そのひとつひとつの言葉をちゃんと受け止めていますか。
 忙しい日常の中で、患者と、その家族の気持ちを汲み取ることを忘れていませんか。
 患者もあなたと同じ「人」だということを忘れていませんか。

 すみません。忙しいあなたたちに理想を押し付けていることはわかっています。
 ですが、プロとして働いている以上、忙しいということを理由に心を失ってはいけないと思うのです。
 背景に医療現場の厳しさがあることはわかっています。
 その中でも頑張っておられる医療従事者もたくさんおられます。
 この本の中には、救急病院での事実だけを記録しつづけた結果、脳死判定の問題、延命治療の問題、医療点数の問題、現場のスタッフの労働条件の問題などが必然的に出てきますが、この事実こそが今の日本の医療体制全体への問題提起でもあります。

 命とは何か、生きるとは何か、その意味をこの本を読んで考えて頂ければ幸いです。

担当者より:
著者は犯罪被害者というたいへん苦しい立場を「本を出版したい」という思いで乗り切られました。そのような強いご意志に深く敬意を表します。本は別の病院へ転院されるところで終わっておりますが、担当者としてはその後の経過が気になります。



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