単行本『ポリティコン』(上・下)を読んで
2011/02/21
文藝春秋 1650円
桐野夏生著
桐野夏生は、なかなか「書かない」。
でも書けば、とんでもない作品を書く。
えぐる。
えぐる。
これでもか、これでもかと、人間の本当の姿、欲望のありのままの姿をえぐり出す。
人間の弱さを。
そして、人間というもののはかなさを。
『グロテスク』でも、人間の弱さ、欲望の深さを、えぐりにえぐり、あれ以上の作品はもうないだろうと思わせたが、そうではなかった。
彼女はやってくれました。
今週発売の単行本ですが、文庫本まで待たないほうがいいでしょう。
即買いがおすすめです。
★★★★☆
高木伸浩