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「今ここにいるぼくらは」集英社文庫・川端裕人著

2010/03/28

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社会に出て、大人になって「もう一度あの頃に帰りたい」
と思う人は多いのですが、ふつうの人は、そう思いながらも、
「もう二度とあの頃には戻れない」ていうか
「戻っては行けない」という「あきらめ」や「禁止」のような思い
もっているのではないかと思います。

そんなことはない!というのが本書の主旨のような気がします。

人は何歳になっても「あの頃」に戻っていいと思うし
少年時代の心を持ちながら、いまを生きていいでしょう。

一昔前、ピーターパンシンドロームという心理学用語が流行しました。
その影響か、大人になるのを拒絶した人というのは、悪いイメージで
語られるようになり、みな「自分もいっぱしの大人」になったつもりでいます。

でも、大人ってなんですか?
そんなに、たいそうな者なのでしょうか?
「自分は大人だ」と思っている偉そうな人に限って、
「本当の大人」ではないような気もします。

私は現在41歳ですが、基本的には、幼年、少年の頃に考えていたことと
いま、考えていることはそんなに変わりがありません。
人は何十年経っても、そんなに大して成長できない生き物ではないでしょうか。

本書は「スタンドバイミー」のような小説だと評する人がいますが、私は、
井上靖の「しろばんば」、マークトウェインの「ハックルベリーフィンの冒険」
と同じレベルの作品のように感じます。

両作品に魅了されているような人にお勧めかもしれません。

ノブヒロ
★★★☆☆





 




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