ゴーストライターによる文章作成代行【京都・ライティング株式会社】

SOHO・自営業者のための鉄の掟

5年遅れで...

2014/01/27
新卒で会社に入った20年前の頃。尊敬する上司の鞄持ちをしていたころである。5歳ほど年上の上司と一緒に、上司のお客様のところに訪問すると、仕事が一通り終わったあと、必ず、高級なお寿司や、高級なクラブに連れて行ってもらえた。

「大人っていつもこんないい場所に行って、こんなに美味しいもの、食べてるのか」
「私もあと5年ほどしたら、お客さんからこんな接待をしてもらえるような仕事ができる人間になれるのかな?」

なんて、想像していた。
そして、5年がたった。

私はその頃、すでに独立していた。予想に反して(笑)、私はお客様のところに訪問しても、一流のレストランや高級寿司には連れて行ってもらえなかった。でもあれから、10年ぐらいたって、やっとそんな店に連れて行ってもらえるようになった。

やっぱりあの上司は仕事ができたんだ──
私は、あの人から、5年遅れて成長しているんだな。

と正直思った。でも、たとえ4〜5年遅れても、その上司と同じところに立てた喜びを最近やっと噛みしめられるようになった。

私にはいま、上司がいない。
自分が社長だからだ。
でも目標にしている人はいる。
それはあるお客様だ。

そのお客様は東京の方。Aさんだ。
Aさんは、私が提案したことを、ほぼ100%
「それはいいね! ぜひやってみよう!」
と受け入れてくださる。器の大きな方だ。

Aさんの仕事で、東北に取材に行くことになった。
取材先は、2件あったので、先方にお願いして、取材日時を1泊2日で回るように調整した。そのことをAさんに言うと
「高木さん。無理しなくていいよ。取材先に日程調整の無理をいうと、良い取材にならないかもしれないから。あくまでも先方の都合に合わせてください。2回行ってもいいんだから」

私の頭のなかは「交通費でいっぱい」だった。
関西から東北への交通費は、楽天トラベルでも往復5万円はかかる(笑)。
Aさんに迷惑をかけてはいけないという思いで、なんとか節約しようという、ことだけを考えていた。つまり「仕事の質」にまで思いが至っていなかったのだ。

お金よりも「仕事の質」を優先したAさん。
そして、私のような30歳近い年下の人間に対して
「5万円の交通費」をけちらず、仕事において、何が大切かを教えてくれたAさん。

Aさんと同じ年齢になったとき、
私はAさんと同じ思考ができているだろうか──

せめて5年遅れでもいい。
追いつきたい!!

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※取材や出張中に、撮った写真です。



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