シャラポアに勝利した伊達公子選手!
東京有明で昨日開催された、パンパシフィック・オープンでのシャラポアVS伊達戦。
伊達公子選手が勝利しました!
中学の頃は軟式テニス、硬式を7年ほど前からスタートさせた私は、なんとなくですが、彼女がなぜ勝利したのか少しですが理由がわかります。すべてを述べると長くなりすぎるので、彼女のボールの特長にしぼって説明したいと思います。
彼女のボールの特長は、ほぼ無回転です。
テニスではこれをフラットボールといいます。
彼女の握り(グリップ)を見ると、最近の選手のように、厚く握るのではなく、薄く握っています(薄い握りとは、主婦なら包丁をもつような握り方です)。
この握り方は、テニス界では、古い握り方と揶揄されていますが、
とんでもない、ない!
握り方に、古いも新しいもありません。
薄い握りは、フラットボールを打つのに、もっとも適した打ち方なのです。
それでは、なぜ、フラットボールがシャラポアを苦しめるような威力を発揮するのでしょうか。
最近の選手は、ボールに、スピン(縦回転)をかけます。
これはかっこいいから、ボールがライン際で落ちるから、とかいろいろな理由があるのですが、
要するに、野球でいえば、フォークボールです。
最近のテニス選手というのは、すべてフォークボールで、ラリーをしているのです。
フォークボールのデメリットは、球の威力が落ちることです。
まっすぐすすむ力よりも、回転に力がかかっているからです。
そして、最近の選手は、なぜフォークばかりかけるかというと、
フォークをかけないと、球は落ちない、
ゆえに、コートに入らない、という固定観念をもっているからです。
これは間違いです。
無回転ボール、フラットボールでも、球はちゃんと落ちるのです。
これを身体でわかっているから、伊達選手は強いのです。
最近、いかに、フラットボールが勝負所ですごさを発揮するかを証明してくれた選手がいます。
みなさんも100%ご存じです。
誰だと思いますか?
そうです。
サッカーW杯で大活躍した本田選手です。
そうか!
あのゴールか。
みなさんの頭のなかには、本田選手のフリーキックがいま鮮烈にイメージできていると思います。
本田選手が放った、無回転ボールは、一見、浮き上がるようなそぶりを見せるのですが、ある瞬間から、急に
ストーン...
と落ち、相手ゴールに突き刺さりました。
そうです。
フラットボールも、落ちるのです。
シャラポア選手は、負けたくやしさからかインタビューで
「伊達選手は、最近の選手とは違う」
とやりにくさを強調していました。
その本当の意味は、最近はやりのスピンボールではない
「昔ながらのフラットボールのくせに...」という意味です。
シャラポア選手は、いまの流行もしらないくせに、
このオバハンが!とけなしたかったのでしょう。
でも、流行をとりいれるか、昔のスタイルのままでいくかは
あくまでも個人の自由です。
伊達選手、フラットボールで、突っ走れ!
高木伸浩
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