NHKドラマ「火の魚」
NHK広島で制作された地方版でありながら、高視聴率をマークし、全国で放映されたテレビドラマです。原作は詩人であり小説家の室生犀星が原作のものを現代版にアレンジしたものです。
名をなした作家と、彼を担当する編集者のやりとりの物語です。
彼らの関係は、時によそよそしく、時に本音がぶつかり合う、
まれに見る、面白い関係だと思います。
あんまり面白いので、弊社スタッフには仕事上、役に立つので絶対見せておこうと思っています。
ところで、このような小説がでる下地となっているのは、IT機器がない時代のことです。
FAXが発明され、どんなに地方にいても、東京の版元まで、どんどん原稿が送れるようになりました。
また、ついに、メールというものが登場。
書いた原稿が、瞬時に、テキストデータで、送れるようにもなりました。
その恩恵ははかりしれないものがありますが、
なくなったのは、作家と編集者の、一対一の「やりとり」です。
実際に会わなくても、原稿がもらえる――というのは、
編集者としては、ほんとうに幸せかどうか、
作家の筆にこめられた「真意」や「ぬくもり」といったものを感じ取れるのか
心配になってきます。
湾岸戦争に従事したアメリカ軍兵士のインタビューでは、
パソコン画面上で、ミサイルのボタンを発射して
「人を殺した」ら、そんなに罪悪感は生じなかったと証言しています。
IT機器のやりとりは、確実に人の「ぬくもり」を感じにくくさせているように思います。
ところで。
弊社では、遠くても近くても、できるかぎり、お客様と対面して、仕事をすすめるよう、努力しています。やはり最後は、人間と人間のやりとりですから。
ノブヒロ
★★★★☆
テレビドラマHP
http://www.nhk.or.jp/hiroshima/program/etc2009/drama09/
追伸
編集者役の尾野真千子という女優は最近、NHKのドラマでよくみかけますが、売り出し中なのでしょうか。なかなか魅力ある女性です。
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